エントランスの花

「いつも通り」に咲いた花

同じ道を通い続けること12年余り。敷地に入るまでは丸型カーブミラーに「止まれ」の道路標識がアスファルト道路に突っ立っている。飽きはしなくても面白みや味わいという感覚からすると無に等しい。敷地内は途中から80メートル程あるタイル敷きの歩道。四角形したタイル、当初ユニークな黄色系のお化粧をしていたのに今では日光浴をし過ぎたせいか斑なベージュ色となり疲労の度が濃い。でありながらも通勤の利便性からいつもアクセスする歩道、通い慣れた頃にふと思いついたニックネームが「いつもの通り」。なんだか蒸留水の味がする「いつもの通り」。この通りに興味津々な兆しが見て取れるようになったのは今年の春過ぎから。いろんな花咲くプランターが一個、二個、三個と日を追うごとに増え始め、今や内玄関の正面や南側にずらりと寄り沿う。

花の名前を聞かれると汗顔の思いながら、観ることは実に楽しく柔らかい気分に浸れる。「この花はどこで買ってきたの」・・・・・「買っていません!ここに咲く花は全部です全部。一人のスタッフの方が種をまき育てられました」。思いもよらぬ返事に「作り手は誰なの。だれ?」そう尋ねたところ「ホラホラあの部門のゴッドファーザーですよ」と言われ髪逆立つ思いに。

ピアノを弾きフルートを奏でるあのゴッドファーザーがねー。そうかー。花の作り手でもあるのか。あまりに多彩な趣味に感心することしきり。でも本人は至ってさりげない口調で「最近になり遠泳を始めました、野菜は庭で無農薬の栽培、お米も自給で・・・・・」。いやはやもう結構。それ以上は聞く耳貸さぬことに。頭が真っ白になってしまう。

No-1 院内正面玄関から撮影

ご覧頂けますでしょうか。色相、明度、彩度のバランスがとても絶妙なゴッドファーザー自作の生花。花色もいろいろあれば種類も豊富なため覚えられない。一日中にらめっこして記憶に留めても、数週間も経たないうちに花名情報は記憶回路から大掃除されるか削除されかねない。そこで花名を忘れない意味で科名、旬の時期を教わり付記することにしました。朝な夕なに仕事の合間を縫って汗を拭き拭き散水するゴッドファーザー。花への情愛が伝わってきます。

いつもの通りを彩る手作り花と和らくひと時。いつもの通りの杣そのものです。
(撮影日 : 平成27年7月17日~29日)

No-2 玄関正面右下のズームアップ(どん引きの真逆撮影)
(ケイトウ:ヒユ科・6月~10月)
No-3 正門玄関の南側
(ニチニチ草:キョウチクトウ科・5月~10月、サルビア:シソ科・5月~12月、ポーチュラカ:スベリヒユ科・5~10月、マリーゴールド:5月~11月)
No-4 南側正面
No-5 南側正面のズームアップ
No-6 今年の暑さ対策
* NO-1からNO-6の写真は画像をクリックすると拡大表示されます。

外来待合室の側面を撮影したものです。横一列に並べられた8個のプラスチック製プランター、その全てに「ゴーヤ」の苗を植え込みました。

見られますように、ガラス全面にはプライバシーを配慮したレースカーテンが張られています。室内はエアコンで温度調整していますが、昨今の猛暑は厚いガラスを高温にするため窓際の室内温度に少なからぬ影響を与えます。この外気温の暑さ対策に選んだのがゴーヤです。ゴーヤは何といっても繁殖力が旺盛。今年の夏はゴーヤのグリーンネットが直射日光を遮り室内の温度安定に貢献してくれるものと大いに期待しています。もちろん発案者はゴッドファーザー。

花の作り手 : 松永 哲(薬剤部)
撮影 : 永渕 愛(事務部)