心の疲労と画像で向き合う(城山病院-診療部門)

“ウツウツ”した気分が続くと、次第に“寝入りが悪く、何度も目が覚める”、仕事も思うに任せず、根気をなくす“こころの疲労”に陥りがちです。精神的ストレスによる気分不良(不安)、睡眠障害、易疲労感などが数週間を超えると、次のような体調不良に見舞われます。
例えば、

頭が重い・頭がカッカする、目が痛い、耳鳴・耳が圧迫される、体がふらつく、肩が凝る、吐き気・食欲の低下、動悸・胸が苦しくなる、手先の震えやしびれなどがあげられます。ライフスタイルに支障を来すこれらの症状は、こころの疲労による自律神経の機能異常によるものです。
 当院では、仕事や対人関係など心理・社会的ストレスによる“心の疲労”と“脈の揺らぎ”との関連に注目した検討を進めています。注目した理由は、脈の揺らぎが自律神経によりコントロールされているからに他なりません。
 脈の揺らぎに関する自動分析は、ホルター心電図法によりデジタル収録された心電図を用いて行います。まず、下に示す心電図をご覧ください。

心電図(城山病院-診療部門)

(数値は、脈の間隔を意味します。単位は、ミリセカンドです)

みられますように、肉眼で同じ間隔に見えても、コンピュターを使い1/1000秒単位で測定しますと、脈(心拍)の間隔は、微妙に変化しています。この脈の揺らぎ現象は、自律神経により生じます。自律神経のうち、交感神経は、脈を早くするように作用しますが、副交感神経は、逆に遅くするように働きかけます。つまり、この両者が相反し合うことで、脈の間隔は、微妙に揺らぎます。

では、うつ状態にある方と、そうでない方の場合、脈の揺らぎにどのような違いがあるのでしょうか。その違いや、当院のテーマである“うつ状態の視覚的診断への応用”などを取り上げ、脈の揺らぎ分析から得られる画像情報を用いて、解説いたします。(なお、“こころの疲労と画像で向き合う”サイトは、今後シリーズで公開予定です)

第一回:うつ状態にある方と、そうでない方の違い

第二回:うつ状態の診断ステップ

第三回 : ストレスと自律神経との関連

第四回 : 揺らぐ心拍の動画

城山病院(熊本-精神科)